「あの時うまくいったから、次も同じやり方で大丈夫だろう」
そう信じて同じ手法を繰り返していないでしょうか。
環境が変われば、かつての勝ちパターンが足かせになることもあります。
成功体験は「心の支え」であり「思考停止」の入口でもある
dazzly代表の筒井は、成功体験の両面性をこう語ります。
あの時もうまくいったし、これもうまくいった。
だからこれを適用すれば次もうまくいくでしょうと思って生きている。
でもそういう思考停止に陥らないということが大事だと思います。
できることが増えた実感、やり遂げた自信。それは仕事を推進するエネルギーになります。
しかし、「これさえやっておけばいい」という確信が、新しい状況を見る目を曇らせることもあるのです。
変革を人に求める前に、自分の前提を疑う
筒井は、リーダーとして他者に変化を求める前に必要な姿勢を指摘します。
人や組織に対して変革を迫る前に、自分自身の「リーダーとはこうだ」「これまでこうやってきたからこれでいいのだ」という前提を常に見つめ続けて、アップデートをかけていく。
自分自身がそれを体現していかないと、人にも組織にも変化は求められないですよね。
ビジネス環境の変化に対応しなければならないのは理解している。
しかし、「リーダーとしてのあり方」まで変える必要があるとは思っていなかった、そんな盲点を突く言葉です。
同じ人でも、同じ環境でも、状況は変わっている
なぜ過去の成功体験がそのまま通用しないのか。筒井はその理由を丁寧に説明します。
状況は刻々と変化しています。同じ人であったとしても変わっていきます。
プロジェクトが違えば全然違うものになるし、関係者が変われば違うことも起こります。
同じチームの人であっても、役割が変わったら、ステージが変わったら、心の状態が変わったら。
変わらない場合はないんです。
日本のプロ野球で活躍した選手がメジャーリーグに行って同じやり方で通用するとは限らない。
それと同じように、環境が変われば勝ちパターンも変わる可能性がある。
通用するかもしれないし、しないかもしれない。その不確実さを受け入れる姿勢が求められます。
「全部捨てる」ではなく「因数分解」する
では、成功体験をすべて捨てなければいけないのか。筒井の答えは明快です。
成功体験を深掘りすることが大事。あの時うまくいったのはなぜか、細かく振り返ってみる。
自分の立ち居振る舞いが良かったのか、チームメンバーの編成が良かったのか、役割の定義の仕方が良かったのか。
因数分解ができていると、次にうまくいかなかった時に「ここの部分を見直してみよう」ということもできます。
成功体験を丸ごと信じるのでも、丸ごと捨てるのでもない。
要素に分解して、適用できるものを選んで使う。ただし、場合によっては全部捨てなければならないこともある。
その覚悟は持っておく必要があります。
ニュートラルでいるための「手放し」
成功体験をアンラーニングすることで、リーダー自身にも良い変化が生まれると筒井は続けます。
成功体験をアンラーニングする方が、自分自身もニュートラルな状態を保てるんじゃないかなという気がします。遊びがあるぐらいの感じで、ニュートラルで。
過去の成功を絶対視していると、新しい情報を受け取る余白がなくなります。
「あの時うまくいったのに、なんで今回うまくいかないんだろう」と固執するより、「未知数だよね」というスタンスで臨む方が、現実をクリアに捉えられるのです。
勇気と覚悟が、次のステージを切り拓く
最後に筒井は、このテーマの核心に触れます。
成功体験をアンラーニングするには勇気がいります。
でも最終的にはやっぱり覚悟が効いてきます。
仕方がない、腹をくくろうという感覚です。捨てちゃった方が早い時もあるかもしれません。
手放すことは怖い。しかし、握りしめているものが次の成長を妨げているなら、そこには勇気と覚悟が必要です。
「あの時はうまくいったけど、次の状況でうまくいくかどうかはまだ未知数だ」
そのぐらいの感覚で臨むことが、リーダーの次のステージを切り拓くのではないでしょうか。
記事について
株式会社dazzlyの公式Podcast「タイトル名:自分自身の「成功体験」をアンラーニングする」での対話内容をもとに、DX推進や組織マネジメントを考える皆さまに向けて再構成したものです。
ITツールの活用やDX推進に関する課題やお悩みがあれば、お気軽に弊社までご相談ください。
Podcast:
Spotify:
出演:筒井千晶(株式会社dazzly 代表)
インタビュアー:土井里美
編集・構成:dazzly編集部

コメント