「全力でやれ」「全力で取り組め」──仕事でも人生でも、全力であることが美徳とされる場面は多いのではないでしょうか。 しかし、本当に全力を出し続けることが最善なのか。
「真剣」と「全力」は、同じようで全く違うものかもしれません。
「真剣に生きていますか?全力で生きていますか?」
dazzly代表の筒井は、かつてメンターから投げかけられた問いを振り返ります。
「真剣に生きてますか?全力で生きてますか?」と聞かれたんですね。
それで、感覚的に「全力では生きてないけど、真剣には生きていたいです」と答えたんです。
多くの人がこの問いに対して、似たような感覚を持つのではないでしょうか。
全力で走り続けることには疲弊のイメージがある。しかし、真剣でありたいとは思う。
この二つの言葉が持つ異なるニュアンスの正体とは何なのでしょうか。
全力とは「出し切る」こと、真剣とは「見極める」こと
メンターが示した定義は、予想を超えるものでした。
全力とは、その時出せるすべての力を出し切っている状態。
真剣とは、自分がどこで全力を出すのかをきちんと見極めて生きている状態だ、という話をされまして。
全力はフルパワーで走り続けること。脇目も振らず、がむしゃらに突き進む状態です。
一方、真剣は力を出すタイミングを自分で決めている状態。
ゼロで行くべき場面と、百二十パーセントを出すべき場面を見極め、選択する。
この違いは単なる言葉のニュアンスではなく、根本的に異なるマネジメントの姿勢を示しています。
「真剣」の語源が教えてくれること
筒井は、メンターとの対話の中で「真剣」という言葉の由来にも触れています。
真剣って、真の刀じゃないですか。昔はそれが武器であり、身を守るものだった。
全力で刀を振り回して戦っていた人なんていなかった。集中して、ここ一瞬という時に神経を集中させてやる。
そういうところから来ています。
全力で刀を振り回し続ける剣士は長く戦えません。
一瞬に神経を集中させ、最も効果的な瞬間を見極める。それが「真剣」の本質です。
ペース配分の話だけではなく、心のエネルギーや情熱をどこに集中させるかという問題でもあります。
全力を経験しないと、真剣にはなれない
では、最初から「真剣」でいることはできるのでしょうか。筒井はこの問いに対して率直に語ります。
やっぱり物事に対してまず全力でいろんなことをやらないと、そういったものを見つけられないのかなと思いますね。最初からここが勝負どころだと誰かが言ってくれるわけでもないですし。
全力でやってみて初めて、どこが本当の勝負どころなのかが見えてくる。
何が省エネしてもよい部分で、何が百パーセントを注ぐべき場面なのか。
それは自ら体験しなければ分からないことです。
20代、仕事を始めたばかりの頃は、どうすればいいのかわからないから全力で頑張る。
それがだんだん見えてきて、加減がわかってくるのかもしれないですね。
経験の積み重ねによって、「見極め」の精度が上がっていく。
これは会議でも同じで、全力で喋り続けても突破口は開けない。
ここぞという瞬間に集中した一言を投げかけることが、状況を動かすきっかけになり得ます。
全力で居続けることのリスク
一方で、全力であり続けることの危うさも指摘されます。
ずっと全力でいると本当に枯渇してしまいます。バーンアウトしてしまう。
…かといって、ずっとぬるくいても何もものにできないですし、人生が楽しくなさそうな気もしますよね。
常に全力では力尽きる。常に省エネでは何も成し遂げられない。
この両極のどちらでもない、自分で力の注ぎどころを選択できる状態。
それが「真剣」であるということなのかもしれません。
未知の領域には全力で臨み、経験を重ねる中で真剣のモードに移行していく。
このサイクルが自然な成長のプロセスです。
まず全力で振ってみて、そこから見極める
最後に、筒井はこの区別を実践に落とし込む感覚をこう語ります。
ここぞというポイントを見つけるためにも、まずは全力でやってみる。
でも、ずっと全力で居過ぎてしまうとどこかで力尽きてしまうので、一歩立ち止まってみることが大事なのかなという感覚はありますね。
全力を否定するのではなく、全力を経て真剣に至る。
その順序を意識することが、リーダーとしての持続可能なパフォーマンスにつながるのではないでしょうか。
記事について
株式会社dazzlyの公式Podcast「タイトル名:真剣に臨むのか?全力を出し切るのか?の区別」での対話内容をもとに、DX推進や組織マネジメントを考える皆さまに向けて再構成したものです。
ITツールの活用やDX推進に関する課題やお悩みがあれば、お気軽に弊社までご相談ください。
Podcast:
Spotify:
出演:筒井千晶(株式会社dazzly 代表)
インタビュアー:土井里美
編集・構成:dazzly編集部

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