DX推進のために横断チームを組んだのに、結局は各部門の寄せ集めで終わってしまう。 こうした声は珍しくありません。
なぜ横断チームは「共創」ではなく「共同作業」で止まってしまうのか。その構造的な原因を考えます。
「共創」は大層なことではない
「共創」という言葉を聞くと、みなさんどのように思いますか?
筒井:共創ってすごく大層なことをしなきゃいけないのかというと、決してそういうわけではなくて。
皆さんも何かしらのチームで仕事をされていると思うんですけど、全員で同じ目的に向かって、それを成し遂げるにはどうしたらいいか考えること、それがもうすでに共創なんじゃないかと思います。
共創とは、企業や組織がステークホルダーと協力して新しい価値や解決策を生み出すことと定義されます。
しかし筒井は、もっと身近に捉えることができるといいます。
チームで達成困難な目標に向き合い、どう乗り越えるか考える。その現実的な営み自体が共創なのです。
グループとチームは、そもそも違う
共創を理解するための鍵として、筒井はグループとチームの違いを整理します。
グループは同じルール内にいて、似た性質を持つメンバーで構成されているもので、チームは同じ目的を目指し、その目的を達成するために集められたメンバーがチームです。
グループは似た者同士の集まり。一方、チームは目的ありきで構成されるため、メンバーの背景も専門性もバラバラであることが前提です。
見ているものも、過去の経緯も、それぞれ異なる。その違いを活かして目標を乗り越えていくのがチームであり、共創の姿です。
横断チームが「寄せ集め」になる構造
しかし現実には、多くの横断チームがうまく機能していないと筒井は指摘します。
DXがうまくいかないという事例の中で、横断チームがただの寄せ集めとか、言いたいことしか言わないとか、そんな話をよく聞きます。
縦割り組織のセクショナリズムを打破するために横断チームが組まれる。
しかし、チームという名前のもとに集められただけでは、メンバーはグループの感覚を引きずったままになります。
「自分はこの作業をすればいい」という意識で各自が動き、交わることがない。
それは共創ではなく、共同作業に過ぎません。
「チームだから動くだろう」という性善説
なぜそうなってしまうのか。筒井はその根本にある思い込みを突きます。
なんとなく皆さん、希望的観測で、「チーム」と言えばチームとして動くだろうと思っている。
そんな勝手に自動運転しませんよね。
チームと名付ければ自然にチームワークが生まれる。そう期待してしまう気持ちは理解できます。
しかし、バラバラな方向を向いているメンバーが自然に交わることは現実的に起こりません。
意図的に交わらせる仕組みと役割が必要なのです。
まず「目的って何だっけ?」を全員で考える
では、共同作業から共創に変えるために何が必要なのか。筒井はそのスタートラインを示します。
基本的には皆さんバラバラのことをやっていたり、バラバラの方向を向いている可能性の方が高いです。
だから「どの目的に向かっているんだっけ?」を皆で一緒に話し合ったり考える場を持たないと、バラバラなまま進んでいって、交わることが現実的には起こりません。
目的の共有は、共創の第一歩であり、避けて通れないプロセスです。
さらに、全員が同じ気持ちを持っていなくても、つなぎ合わせていく役割を担う人が必要だと強調します。
それはひと手間かかることかもしれません。
しかし、そのひと手間を省いてしまうから、横断チームは共同作業で終わってしまうのです。
共創は「前人未到のすごいもの」を目指すことではない
筒井が伝えたいのは、共創のハードルを下げることです。
前人未到のすごいものを目指さなくてもいい。現実的な話なんだけど、ひと手間かけようね、ということです。
かっこいいビジョンを掲げることが共創ではありません。
目の前のチームで、目的を確認し、メンバーをつなぎ合わせ、一緒に考える場をつくる。
その地道なプロセスこそが、共同作業を共創に変える鍵なのではないでしょうか。
記事について
株式会社dazzlyの公式Podcast「横断チームが「共同作業」で終わってしまう理由」での対話内容をもとに、DX推進や組織マネジメントを考える皆さまに向けて再構成したものです。
ITツールの活用やDX推進に関する課題やお悩みがあれば、お気軽に弊社までご相談ください。
Podcast:
Spotify:
出演:筒井千晶(株式会社dazzly 代表)
インタビュアー:土井里美
編集・構成:dazzly編集部
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