プロジェクトの目標やビジョンを、メンバー全員に浸透させたい。同じ方向を向いて仕事をしてほしい。
その理想は美しいですが、最初から全員が同じ方向を向くことは、現実にはほぼ不可能ではないでしょうか。
目的は、言えば伝わるものではない
プロジェクトの目標や目的は、キックオフで一度伝えれば浸透するものではありません。dazzly代表の筒井は、自身の経験からこう断言します。
業務を遂行するごとに忘れていくので、同じことを何回も言うということはやっていました。定例のタイミングで毎回言っていたこともあります。
キックオフで話した内容は、多くの場合「お題目」として受け止められがちです。
最初に言ったから伝わっているはずだ、そう思いたくなりますが、人は忘れます。
「また言ってるよ」と思われるくらいでちょうどいい、と筒井は語ります。
繰り返すことで、コミュニケーションコストが下がる
同じ目標を繰り返し伝えることには、もう一つの効果があります。
目標や目的を繰り返し見つめ直すと、見当違いのディスカッションが減るんですよね。そういったものを含めてコミュニケーションコストだと思っているので、そこが減ると生産性も上がります。
メンバーがそれぞれ異なる方向を向いたまま議論を始めると、本来不要な調整に時間を取られてしまいます。「たどり着きたいのはここだよ、達成したいのはこれだよ」という確認を繰り返すことが、結果的に無駄を省くのです。
メンバー個人の「やりたいこと」も聞いておく
全員が同じ方向を向くことは難しい。それは、メンバー一人ひとりにやりたいこと、やりたくないことがあるからです。筒井はプロジェクト初期に、各メンバーとそのすり合わせを行っていたといいます。
メンバーの話を聞いて、プロジェクトの目標や目的と照らし合わせるということは、プロジェクト初期に絶対やっていました。
後に起こることの方がよほど面倒なので、こういうところには時間をかけていましたね。
やりたいことがすべて叶うわけではないし、やりたくないことを完全に避けられるわけでもない。
しかし、「この部分は叶えられる、でもこの部分はごめん」というすり合わせがあるだけで、メンバーは自分の中で折り合いをつけやすくなります。
「ごめん、でもやってほしい」が言えるかどうか
プロジェクトが進む中で、メンバーにとって望まない仕事が発生することもあります。そのとき、相手の状況を知っていれば一言添えることができます。
過去に上司から同じように言われたことがあって、「やりたくないのは分かってるけど、ごめん、やってくれ」と。その「ごめん」があるのとないのとでは、人の気持ちは違いますから。
事前にメンバーの希望を聞いておくことで、状況が変わったときにも適切な声かけができる。それは小さなことに見えて、チームの信頼関係を支える大切な基盤です。
「結果的に同じ方向を向いていた」なら、万々歳
理想的な状態を最初から追い求めるのではなく、できることを一つずつ積み上げる。筒井のアプローチはきわめて現実的です。
そもそも全員が同じ方向を向くのは不可能ですよね、きっと。そこを諦めた上で、でもできることはあるかなと。積み上げ式でやっていました。結果的に同じ方向を向いていたねとなれば、もう万々歳じゃないですか。
「全員が同じ方向を向く」という理想を追い続けるよりも、目的を繰り返し伝え、メンバーの声を聞き、できることを積み上げていく。その先に、気がつけばチームが一つになっている瞬間が訪れるのかもしれません。
記事について
株式会社dazzlyの公式Podcast「メンバーが同じ目標に向かうには? プロジェクトの目的を全員で理解する方法」での対話内容をもとに、DX推進や組織マネジメントを考える皆さまに向けて再構成したものです。
ITツールの活用やDX推進に関する課題やお悩みがあれば、お気軽に弊社までご相談ください。
Podcast:

Spotify:
出演:筒井千晶(株式会社dazzly 代表)
インタビュアー:土井
編集・構成:dazzly編集部
コメント