「主体性を発揮してほしい」と言う上司が、主体性の芽を摘んでいる──自主性と主体性の区別

「もっと主体的に動いてほしい」──部下にそう伝えたことのあるマネジメント層は多いのではないでしょうか。 しかし、その言葉を発する本人が「主体性」と「自主性」の区別をつけられていなければ、かえって部下の成長を止めてしまう危険性があります。

目次

自主性と主体性は、似ているようで全く違う

dazzly代表の筒井は、この二つの概念の違いを端的に整理します。

主体性は、すべきことを自分で考えた上でやるということ。
自主性は、すべきことがあった上で、言われなくてもやるということです。

たとえば、掃除の時間に自分から動くのは自主性です。
テーマは与えられており、その中で工夫して行動する。
一方、主体性は、そもそも「教室の空気が悪いから掃除した方がいいのではないか」と自ら課題を見つけ、提案して動くこと。
課題設定そのものから自分で行うかどうかが、両者の決定的な違いです。

これまでの時代が育ててきたのは「自主性」

日本の多くの組織では、長らくトップダウンの文化が根付いてきました。筒井はその構造がもたらした影響をこう語ります。

やはりどちらかというと自主性を磨かれてきたのではないかという気がします。偉い人が決めてくれて、その中で自分にできることを探して動く。言われたことは絶対、というような文化ですよね。

しかし、経済産業省が提唱する「人生百年時代に求められる社会人基礎力」の中には、しっかりと「主体性」という言葉が書かれています。
時代は明らかに、自主性だけでなく主体性を求める方向に動いているのです。

区別がついていない上司が、部下の成長を止める

問題は、この区別がついていない上司が「主体性を発揮してほしい」と指示するケースです。

部下が「主体性を発揮するとはどういうことですか?」と質問してきた時に、自主性の例のような話をしてしまうのではないかと思います。

さらに深刻なのは、部下が実際に主体性を発揮しようとした場合です。
自ら課題を見つけて「こちらのテーマに取り組んだ方がいいのではないですか」と提言してきたとき、自主性で育ってきた上司は「なぜ勝手なことを言うんだ」と反射的に返してしまう可能性があります。

自分自身が主体性に慣れていないから、「何だこの異質な行動は」と感じてしまう。
結果として部下の主体性の芽を摘んでしまうことになりかねません。

部下の「突拍子もない発言」にも価値がある

主体的に動き始めたばかりの部下が、最初から的確な課題提起をできるわけではありません。

最初は突拍子もないようなことを言ってしまう可能性だってあるわけです。
でも、そういうものは指摘されて磨かれていくものですから。

たとえば「もっとフラットな組織にできませんか」という発言。
表面的には組織構造の話に見えますが、その背景にはメンバーなりの違和感や改善への思いがあるかもしれません。
それをよく聞いてあげることで、本人の解像度が上がり、言葉にできるようになっていく。
その芽を反射的に潰してしまっては、成長の機会が失われます。

個人の問題ではなく、環境の問題でもある

筒井は、この問題を個人の責任だけに帰さない視点も示しています。

その人だけのせいではないと思うんですよね。環境要因がすごく大きい。しっかりとマネジメント層もそこを捉える必要があるなという気はします。

自主性の文化で長く育ってきた世代に、急に主体性を求めても戸惑いが生じるのは当然です。
世代ごと、組織ごとのアップデートが必要であり、まずは区別をつけるところから始めることが、変化への第一歩になるのではないでしょうか。

記事について

株式会社dazzlyの公式Podcast「自主性と主体性の区別、できた上で部下に伝えてる?」での対話内容をもとに、DX推進や組織マネジメントを考える皆さまに向けて再構成したものです。

ITツールの活用やDX推進に関する課題やお悩みがあれば、お気軽に弊社までご相談ください。

▶︎株式会社dazzly ホームページ

Podcast: 

Apple Podcast
147.自主性と主体性の区別、できた上で部下に伝えてる? ポッドキャストのエピソード · DX時代の勝ちに行く組織マネジメント · 2025年11月18日 · 13分

Spotify: 

出演:筒井千晶(株式会社dazzly 代表)
インタビュアー:土井
編集・構成:dazzly編集部

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