プロジェクトが難航しているとき、メンバーのモチベーションが気になる。
リーダーなら誰もが経験する悩みではないでしょうか。しかし、メンバーの士気を気にする前に、見落としていることがあるかもしれません。 それは、リーダー自身の気持ちです。
まず気づくべきは、自分自身のモチベーション
dazzly代表の筒井は、公式Podcastでこのテーマについて、プロジェクトリーダーからのよくある相談を起点に語っています。
「プロジェクトが難航しているときに、メンバーのモチベーションをどう維持すればいいですか?自分の焦りがメンバーに伝わってしまって、雰囲気が悪くなることもあるんですが──」
この相談に対して、筒井はまず視点の転換を促します。
プロジェクトが難航しているときって、リーダーはメンバーのモチベーションに意識が行くんですけど、自分のモチベーションも下がっているんですよね。人のことが目に入っているけど、自分のことが目に入っていない。
プロジェクトの難しい局面に対して「嫌だな」と感じるのは、リーダーも同じ。メンバーも思うし、リーダーも思う。筒井はそこに目を向けることの大切さを指摘します。
「嫌だ」と言ってしまっていい
筒井自身は、信頼関係が築かれているチームでは、自分の感情を率直に口にしていたといいます。
ある程度信頼関係が築かれているチームの場合は、「嫌だ」と言っていました。
「みんなも嫌だよね」とか、「これに耐えられる人いる?」みたいなことを言っていた記憶がありますね。
全員で「嫌だ」を共有する。
一見するとリーダーらしくない振る舞いに思えるかもしれません。
しかし筒井は、平気なふりをすることのほうがチームにとってマイナスになりうると考えています。
痛くないふりをするより、「痛いよね、そうだよね、本当に痛い」って言ったほうが、ちょっと痛みが和らぐ気もするんですよね。
リーダーの状態は、黙っていても伝わっている
ここで筒井が強調するのは、リーダーの状態がメンバーに与える影響力の大きさです。
リーダーの状態とか状況がメンバーに与えてしまう影響力、まあそれこそがリーダーシップになるんですけど、良くも悪くも気づいたほうがいいかなとは思いますね。
リーダーが焦っていれば、メンバーはそれを敏感に感じ取ります。
しかし多くの場合、メンバーのほうからは声をかけにくい。
「リーダー、機嫌悪いな」と感じても、「ちょっと話しかけるのやめとこう」となってしまう。
メンバーも遠ざける、リーダーも遠ざける。雰囲気が悪くなる。
嫌な緊張感が生まれて、ピリピリしてしまう。
この悪循環を断つためにも、リーダーの側から率先して状態を開示することが有効だと筒井は語ります。
「ごめんね、今ちょっと焦ってて」みたいなことを言っておくだけで、「ああ、この人焦ってるなぁ」ではなく、「そうか、焦ってるんですね。わかりました。じゃあ私も何かできますか」という気持ちになるかもしれない。
「大丈夫じゃないです」と言えるほうが、結果的に楽になる
メンバーから「大丈夫ですか?」と声をかけてもらえることもあるでしょう。
そのとき、「いや、大丈夫です」と強がってしまうリーダーは少なくありません。
筒井はこう語ります。
「大丈夫じゃないです」って言えるぐらいのほうが、結果的に楽にならないかな、と私は思います。
リーダーは頼られる存在──その意識が強いほど、弱みを見せることへの抵抗が生まれます。
しかし、特にプロジェクトのような場では、上下関係よりもメンバーそれぞれの力を補い合ってゴールを目指す姿勢が求められます。
リーダーだからシャンとしなきゃいけない、弱みを見せちゃいけないということは、絶対に無いはずなんですよね。
リーダーがメンバーを頼る。その姿勢が、チームを前に進める瞬間もあるのです。
メンバーの士気より、「この局面をどう乗り越えるか」に意識を向ける
筒井は、チームの士気が下がったときに、リーダーが意識を向けるべき先についてこう語ります。
プロジェクトだと難航する場面は、一回だけじゃなくて複数回絶対ある。
その都度メンバーのモチベーションを意識するというよりも、リーダーが向くべきは、「絶対この局面を乗り越えるんだ」「乗り越えるためにはどうしたらいいんだ」という意識なんですよね。
メンバーの士気を気にすること自体は悪くない。
しかし、そこばかりに目を向けると、近くの障害物にひとつひとつ反応し続けることになってしまう。
筒井はここで、スクランブル交差点のたとえを引き合いに出します。
目の前の人を一人ひとり避けようとするとかえってぶつかりますが、行き先を見据えて歩けば自然とすり抜けられます。
本当はどこに行かなきゃいけないんだっけ?
この難しい状況をどうすれば乗り越えられるんだっけ?
そういったところに意識を向けると、自分の気持ちもそこに向きます。
リーダーが前を向いて進もうとしている姿は、伝わる人にはしっかり伝わります。そしてそれが、チーム全体の空気を変えていくきっかけになります。
「そうは言っても、なんとかする」という信頼
感情を吐き出すことと、前を向くこと。
筒井のアプローチには、この二つが共存しています。
嫌だと言う。焦っていると正直に伝える。でも、そのうえで「乗り越えるよ」と示す。
コミュニケーションでちゃんと「こういうふうに向かおうとしているよ」と伝えていくと、「この人大丈夫かな」という疑念がメンバーに生まれにくくなると思うんですよね。
「いろいろ言っているけど、そうは言っても、なんとかする人だ」
メンバーからそう思ってもらえる信頼は、一朝一夕には生まれません。嫌だと言いつつも前に進む。
その積み重ねが、リーダーへの信頼を形づくっていくのではないでしょうか。
弊社ではこうした「プロジェクトリーダーの悩み」に寄り添いながら、現場のマネジメント課題を一緒に考えるご支援を行っています。
記事について
株式会社dazzlyの公式Podcast「チームの士気が下がった時、リーダーがやるべきこととは?」での対話内容をもとに、DX推進や組織マネジメントを考える皆さまに向けて再構成したものです。
ITツールの活用やDX推進に関する課題やお悩みがあれば、お気軽に弊社までご相談ください。
Podcast:
Spotify:
出演:筒井千晶(株式会社dazzly 代表)
インタビュアー:土井
編集・構成:dazzly編集部

コメント