「落ちこぼれ」≒「小賢しい似非SE」からスタートした社会人人生
私の社会人生活は「落ちこぼれ」からのスタートでした。
インターネット黎明期、ほんの少しばかりのプログラミング知識とパソコンスキルのあった私は、「パソコンを使いこなしたい」「インターネットの世界をもっと知りたい」、そんな思いだけでそれ以外の情報などほぼ持ち合わせないまま、システム開発会社一本に絞って就職活動をして、やがて内定をいただきました。
システム開発の何たるかを全くわかっていない私は、入社後の研修でも「文系だから」などという事情とは別次元で浮いており、配属後も開発業務が振られることもなく、自分の無知さや無力さ、何も貢献できない歯痒さ、それでも強がりたい自分と、葛藤の日々でした。
「IT業界に最も向いていない人間」
今でも自分を評するときにこの言葉を使いますが、これは、当時の自分が心の底から感じていたことです。
「わからない人の気持ちをわかる存在でいろ」という上司の言葉
ただ、そんな私だったからなのか、この業界にいながらも業界のことを客観的に見れることができていたようで、ITプロジェクトの”あるある”なトラブルに対して、「もっとこうすれば」「こんな風に改善できるんじゃ」と、先輩たちに意見をし続けていました。。
実力も経験もSE適性もない私の発言は、もちろん受け入れられることはなかったのですが、
「おまえの思っていることや感じていることは正しい。だから、その理由を周りの人に説明できるようになりなさい」
「どれだけ学んでも経験しても感性はそのままに、わからない人の気持ちをわかってあげられる存在でいなさい」
超劣等生だった私に、当時の上司がそんな風に投げ掛けてくれました。
この言葉がなかったら私は、この業界にい続けることはなかったと思います。
「IT業界の劣等生」だからこそできたことを、社会に還元するために
前置きが長くなりましたら、ではどうすれば違和感の理由を説明できるようになるだろうか?と考え続け、気づけば今に至っています。
道中、正統派のSEでは経験できないような、様々な事業やプロジェクト経験をさせてもらいました。
もし私に真っ当なSE適性があったら、絶対に経験させてもらっていなかった内容ばかりです。
それらの経験の中で培ったもの、それは、
「プロジェクト」という不確実性の高い状況の中で、利害が異なる関係者が山ほど存在し対立構造ばかりの中で、
様々な分野のスペシャリストが存在し取り組みの専門性が高い中で、コミュニケーションの前提が異なり意識合わせが困難な中で、
ゴールを共有し、全体で同じ方向性に向かって各々がやるべきことをやり、プロジェクトの価値を最大化させるマネジメントスタイルでした。
私を育ててくれたのは、間違いなくIT業界です。
「IT業界に最も向いていない人間」が、今後のIT業界、引いては、ますますITと共存していくこれからの時代に恩返しできるとしたら。
ジョブ型やプロジェクト型の業務遂行が増えていくであろうこれからの時代に、より役立てることがあるとしたら。
過去の成功事例が通用せず、多様性を求められ、個性を伸ばすことが良しとされる時代に、できることがあるとしたら。
それは、これまでの経験の中で培ったマネジメントの極意を、社会へ還元していくことだと考えています。
経営に纏わる課題の中で最も厄介なテーマといっても過言ではない、ITと組織・人の課題を一気通貫で扱い、
不確実性の高い時代に着実に成果を出す自律的組織づくりのトータルサポートを、企業様ごとにカスタマイズして提供して参ります。
代表PROFILE
ビジネスアナリシス領域と、チームビルディング・ステークホルダーとのコミュニケーションを得意領域とするプロジェクトマネージャーとして、20年以上・大小問わず、60以上のITプロジェクト・事業/プロダクト開発に関わる。
不確実性が高い中で上手くいかないプロジェクトには、「本当に必要なコミュニケーションが不足しており、かつ、そのGAPを埋められる人材がいない」ことに気づき、縦割りの構造に横串を刺してシナジー効果を生み、チーム全体で成果を上げ、人を活かし、プロジェクトを成功に導くマネジメントスタイルを確立。
その経験を元に、ITプロジェクト推進・組織開発・人材育成コンサルタントとして活動中。