プロジェクト管理ツールやビジネスチャットの導入は、ここ数年で確実に広がってきました。
「進捗が見えるようになる」「業務がスムーズになる」といった期待から、ツールを導入する企業が増えているのも事実です。
しかし、導入したからといって、それだけでマネジメントが始まるわけではありません。
弊社dazzlyでは、これまで多くの現場支援を通じて、「ツールを入れただけでは動かない」という現実を目にしてきました。
組織にとって本当に必要なのは、ツールを使って“どうマネジメントするか”という視点です。
「見えるようになった」だけでは、動きは生まれない
タスク管理ツールを導入すれば、今どんな案件が進行中で、どこに課題があるかを把握しやすくなります。
しかしそれはあくまで「状態の把握ができるようになった」という段階にすぎません。
可視化された情報をもとに、課題を捉え、働きかけ、方向づけていく。
そのプロセスこそが、マネジメントの本質です。
一方で、見えるようになったことで満足してしまい、その先の「働きかけ」がなければ、結局何も変わりません。
情報が更新されなければ、現場とのズレはどんどん広がっていく
「せっかくツールを導入したのに、誰も使っていない」
そんな悩みも、現場では少なくありません。
たとえば、タスクや進捗がツール上に登録されず、更新されないままになると、実態とデータに乖離が生じてしまいます。
動いている現場と、止まったままのツール。このズレが蓄積すると、ツールは“形だけの存在”になってしまうのです。
こうした状況を防ぐには、「自然に・負担なく」情報を更新できる工夫や文化が欠かせません。
ツールに手を動かす意味を、現場が感じられる状態をつくることが重要です。
やり取りの“兆し”を読み取る──マネージャーに求められる「観察力」
チャットや記録が残る環境では、業務の進行だけでなく、メンバー同士のコミュニケーションの質も“見える”ようになります。
一見スムーズにやり取りしているようでも、読み取る側の視点によっては「少しすれ違っているかも?」と気づけることもあります。
筒井はこうした場面で、「少し踏み込んで様子を見る」「早めに手を打つ」といった判断ができるかどうかが、マネジメントの腕の見せ所だといいます。
現場の会話が“閉じた場”でなくなったことで、マネージャーが関わるきっかけや余地が生まれた
──それも、ツール活用の意義の一つです。
メールで「CCを全部読む」──やり方が変わっても、見ているものは同じ
筒井が会社員時代に経験したマネージャーの中には、すべての案件メールをCCで受け取り、常に全体の状況を把握していた人もいたといいます。
朝から晩まで大量のメールを追いかけていた姿を、当時は不思議に思っていたそうですが、今思えばそれも一つの「可視化の工夫」だったと振り返ります。
現在はチャットやタスクツールなど、やり方は変わりましたが、“状況を見守り、必要なときに手を打つ”というマネジメントの本質は、昔と変わっていません。
“見える化”を起点に、マネジメントが始まる
ツールはあくまで「状態を見えるようにする」ための手段です。
そこから、“何を感じ取り、どう動くか”が問われるのは、これまでと変わらず人の仕事です。
筒井は、**「ツールにすべてを任せるのではなく、ツールを通して組織を見る力を持ってほしい」**と語ります。
変化の速い時代にあって、私たちに必要なのは、
「ツールに頼る」のではなく、「ツールを使いながら考え続ける」姿勢なのかもしれません。
この記事は、株式会社dazzlyの公式Podcast「ツールを活用して効果的にマネジメントする方法とは?」での対話内容をもとに、DX推進や組織マネジメントを考える皆さまに向けて再構成したものです。
編集・構成:dazzly編集部
ITツールの活用やDX推進に関する課題やお悩みがあれば、お気軽に弊社までご相談ください。
この記事は、株式会社dazzlyの公式Podcast「DX時代の勝ちに行く組織マネジメント」での対話内容をもとに、DX推進や組織変革を考える皆さまに向けて再構成したものです。
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出演:筒井千晶(株式会社dazzly 代表)
インタビュアー:土井
編集・構成:dazzly編集部
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