リーダーはメンバーを指導する立場にある。 多くの人がそう理解しています。
しかし、「指導する」がいつの間にか「教える」にすり替わっていないでしょうか。
教えれば育つ。 正解を渡せば動ける。
その前提が、メンバーの思考を止めている可能性があります。
指導はいつから「教えること」になったのか
dazzly代表の筒井は、公式Podcastでこのテーマについて、まず「指導」という言葉そのものに立ち返りました。
リーダーやマネージャーがメンバーに対して指導する、教育する、育成するとなったとき、なぜかそれが「上から教える」という解釈になっているような気がしています。
リーダーって直訳すると「率いる人」なのに、なぜか教育になっている。
すごく不思議なんですよね。
さらに筒井は、「指導」の本来の意味に立ち返ります。
指導はリーダーの仕事だと思うんですね。
ただ、指導って教えることではなくて、字の通り「指し示して導く」ということなんです。
相手が自分でちゃんと考えて、目標に向かっていけるように促すことが指導なので。
当然、教えるという概念もそこに包含されるとは思うんですけど、指導と教えるはやっぱり全然別物なので、そこはちゃんと区別したほうがいいかなと思いますね。
教えることは、指導の一部にすぎない。
しかし現場では、指導のほぼすべてが「教える」に偏っている──そんな状況が珍しくありません。
教え続けると、何が起きるのか
教えること自体は悪いことではありません。
問題は、それが唯一のアプローチになってしまったときに起きます。
筒井はこう語ります。
教えてくれるからいいやって、メンバー側もどこかから思うんですよね。
考えない人になってしまう。
あとは「この人は教えたいんだな」とメンバーが感じると、教えさせてあげようという感情が湧いてきたりもする。
どちらが指導しているのかわからない状態になってしまうんです。
何もわからない場面や、知っておいてもらわなければいけない場面では、教えることはすごく大事なんです。
ただ、それだけではよくないですよね、というのはフラットに考えたらそうなるはずなんですけど、リーダーの目線になると盲点になってしまうのかなという気もしますね。
答えを渡すだけで、人は自分の足で立てるのか
では、教える以外に何ができるのか。
筒井は、リーダーの役割を「自分の足で立てるようにすること」と定義したうえで、こう問いかけます。
相手が自分の足で立てるようにしていくと考えたとき、本当に答えを出すだけで十分なのか。
答えだけ渡してあげたら、人は自分の足で立てるようになるかといったら、決してそんなことはないじゃないですか。
答えを渡すことは、即効性がある。
しかしそれだけでは、メンバーが自分で考え、判断する力にはつながりません。
筒井はここで、近年注目される「問い」のアプローチに触れます。
どういうサポートができるかと考えたとき、問いを立てる、問いを投げかける、そういうアプローチもあるよねということだと思いますね。
ただし、問いを投げればいいという単純な話でもない、と筒井は付け加えます。
いい問いを立てられるか。
問いをぶつけたはいいけど、待てるかどうか。
仕事にはデッドラインがあるから、いつまでも待てないという場面もある。
でも、そこは我慢のしどころだと思いますね。
問いが飛んでくる、という感覚
筒井自身も、かつてメンバーとしてこうした問いを受けた経験があります。
普通に問いが飛んでくるという感覚だったんですよ。
「なんであなたはそういうふうに考えるの?」って普通に聞かれたり、「こういう場合ってどう思う?」と、すごく自然に問われていた記憶がありますね。
単純に、私が考えていることや思っていることがわからないから、それを教えてくれと言われていたという印象で。問い詰めるのではなく。
問いを通じて対話が進むことで、リーダー側にも変化が起きていたといいます。
いろいろ話していると、リーダーも「ここでつまずいているんだな」「ここまではわかっているけど、ここから先が見えていないんだな」ということがわかるんですよね。
そうすると、アドバイスもこちらが望んでいたものが来るし、自分のやり方に自信を持てる部分にも気づけたりする。
待つことが、信頼になる
筒井は、当時の経験をこう振り返ります。
最初の頃は、すごく緊張しましたけどね。
言っていいのかなという気持ちもあった。
でも、ずっと待ってくれていたんですよ。
だから「言わなきゃ」という感じになって。
問いを投げ、そして待つ。
その姿勢そのものが、メンバーにとっての信頼になっていた。
筒井の原体験が、それを物語っています。
「何を教えるか」ではなく「どう指導するか」
筒井は最後に、アプローチの使い分けについてこう述べています。
ティーチング、コーチング、メンタリング。
どういう状況のときに、この人にどういうアプローチを取るのがいいのか。
考えながらうまく使い分ける必要があるんじゃないかなと思いますね。
そして、メンバーの主体性や自走を望むリーダーに向けて、こう問いかけます。
リーダーやマネージャーの方って「主体性を持ってほしい」「自走してほしい」とおっしゃる。
そのためには「何を教えたらいいか」ではなく、「どういう指導が必要なのか」という観点で考えてあげるといいのかなと思います。
教えるだけがリーダーの仕事ではない。
問いを立て、待ち、メンバーの思考を引き出す。
その積み重ねが、チームの自走力を育てていくのではないでしょうか。
記事について
株式会社dazzlyの公式Podcast「リーダーの仕事は「答え」を教えることではない」での対話内容をもとに、DX推進や組織マネジメントを考える皆さまに向けて再構成したものです。
ITツールの活用やDX推進に関する課題やお悩みがあれば、お気軽に弊社までご相談ください。
Podcast:
Spotify:
出演:筒井千晶(株式会社dazzly 代表)
インタビュアー:土井
編集・構成:dazzly編集部

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