新しい取り組みは、初めてやることやわからないことに挑む側面が強く、成功率は高くありません。
だからこそ最初の一手、チームの編成が結果を左右します。
「まず、“人”ではなく“役割”から考えることが大前提」と筒井は話します。
プロジェクトチームとは?──2名でも立派な“チーム”
プロジェクトは、何かの目的を達成するための取り組み。
メンバーが2名でも、目的に向かって動くなら、それはプロジェクトチームです。
一方で、初めてやる/わからないに立ち向かう性質上、“やってみないとわからない”ことが多いのも事実。
ここに、編成の考え方が効いてきます。
順番を間違えない:目的 → 役割 → 担い手
筒井が強調するのは順番です。
- 目的が先(チームが達成すべき軸を定める)
- 必要な役割を先に洗い出す(達成のために要る働きを挙げる)
- その役割を担える人に声をかける(社内外を含めて当てていく)
「“月に行きましょう”と決めたら、まず“どんな役割が必要か”が先に出て、それに詳しい人やどこの会社に声をかけるか、という動きになります」(筒井)
ここで重要なのは、“先に人がいるから、その人に何をやってもらうか”ではないという点です。
“Aさんをリーダーに”──その前に立ち止まる
社内ではつい、年次や枠の都合で、「Aさん、次のリーダー枠はこのプロジェクトで」というようになりがちです。
この考え方を全否定する必要はありませんが、プロジェクトが求めることに対し、Aさんがどれくらい応えられるのかを見極めるステップは欠かせません。
そこで出てくるのが、役割ベースの発想です。
「この部分はまだ難しいかもしれない。ではサポートの人材を最初から充てよう──と考えます」(筒井)
“人に任せる”で終わらせず、役割に分けて足りないところを補う。
この視点が、立ち上げ後の詰まりや手戻りを減らします。役割が整っていないチームは、そもそも試合(プロジェクト)が成立しない。
スポーツに置き換えればわかりやすいように、先にポジション=役割があり、それを担える人が揃ってチームは機能します。プロジェクトも同じ発想です。
人事とは別物の考え方
ここでの編成は、人事異動や昇格の発想とは別です。
言葉にするとシンプルですが、実務では大きな違いになります。
「大きな言葉にしてしまうと“人ではなく役割”。そこが大きな違いなんじゃないかなと思います」(筒井)
役割ありきで組むための“確認ポイント”
会話で語られた流れを、そのまま確認ポイントに落とすとこうなります。
- 目的は明確か?(何のためのプロジェクトか)
- 役割は出し切れているか?(“先に人”ではなく、必要な働きが揃っているか)
- 担い手は“役割に合う人”になっているか?(社内外に声をかける視点を持てているか)
- 不足をサポートで補う設計があるか?(最初から支援の役割を組み込めているか)
いずれも、筒井の言う**「目的→役割→担い手」**の順番に沿った、極めてシンプルな確認です。
まとめ──“人ありき”を脱して、成功率を上げる土台をつくる
- 目的が先。
- 目的達成に必要な役割を先に洗い出す。
- その役割を担える人に声をかける。
- 足りない部分はサポートで補う。
この順番を守るだけで、走り出してからの迷いと摩擦は確実に減ります。
あなたの次のプロジェクト、最初の一手は“役割から”になっていますか?
この記事は、株式会社dazzlyの公式Podcast「目的を達成するためのプロジェクトチームの作り方」での対話内容をもとに、DX推進や組織マネジメントを考える皆さまに向けて再構成したものです。
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Podcast:
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出演:筒井千晶(株式会社dazzly 代表)
インタビュアー:土井
編集・構成:dazzly編集部
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