『変化が激しく不確実性の高い時代』
よく見かけるようになったこれらのキーワードですが、「不確実」という言葉に不安になられている方もいるかもしれません。
そもそもどんな時代ということなのか?
解釈はいろいろあると思いますが、「正解がない時代」とも言い換えられます。
つまり、今通用していることが、少し先には通用しなくなっているかもしれない。
小手先の「こうすれば上手くいく」は、すぐに陳腐化してしまう。
その変化のスピードが早く、この先何が起きてどうなっていくのか、予想がしづらい時代になっている。
これらについて、デジタルの力が影響をもたらしていることは、容易に想像できるのではないでしょうか?
では、そんな時代に必要なマネジメントは何なのか?
どちらかというとこれまでの日本企業は、中央集権型・トップダウン型・ヒエラルキー型と呼ばれるように、指揮命令系統で成り立っている組織が多いと言われています。
それ自体が悪というわけではなく、それが機能していれば全く問題はないのですが、
『変化が激しく不確実性の高い時代』において、その型でマネジメントする限界があるのではないか、ということです。
今の時代は、大よその正解を見出して計画通りに進めるよりも、仮説検証を繰り返す・トライ&エラーしながら進めていくことが求められる時代です。
ただ、時代として全体的に正解がないので、指揮命令する側が必ずしも正解を持っているとは限らない。
仮に正解を持ち合わせていたとしても、いつまで通用するのかわからない。
そんな中で「正解を指揮命令しよう」と躍起になるのは、指揮する側もされる側も負担がかかるし、最悪の事態としては離職が増えたり業績が下がったりと、時代に取り残されてしまうかもしれない。
多少極端な表現をしてはいますが、起こり得る可能性が充分にあると思われます。
そのため、マネジメントの方向性を変えるべきなのではないか、と考えています。
これまでのように、工程別・分業で進める、のではなく、
最終的にどういった価値を顧客に届けていくのか?企業として価値創造していくのか?から考え、
そのために、それぞれの人・チーム・組織がどんな力を発揮し、目指す姿に向かってどう動いていくべきなのか?
そういった、根本的な変革が必要になるのではないでしょうか。
また、そういった動きの中で、これまで一緒に仕事に取り組んだことのない人たちが同じプロジェクトに取り組む、
といったケースも増えていくだろうと考えられますが、その際も、マネジメントの考え方は同じです。
目指すべき姿に向かって、一人ひとり、何ができるのか・何がしたいのかを把握した上で、
期待すること・お願いしたいことを伝え、そして、共通の目的とゴールを描いて丁寧に共有する。
「あとはお願いね」と投げるのではなく、道中、軌道修正をしたりフォローアップしていく。
”マネジメント層の負荷が増えるだけだ”・”そんな面倒なことは到底できない”と、感じられるかもしれません。
ただ前述のように、時代が大きく変化しています。
丸投げという言葉もよく聞かれますが、まさに、それをしていては太刀打ちできない時代に既に突入しています。
そして、ITに長く関わっている人間として強く思うのは、ITを活かして価値創出するには人の力が絶対的に必要です。
DXを引き起こすのは、デジタルではなく人でしかありません。
これを機に、組織の在り方から見直してみることで、企業の可能性も拡がっていくのではないでしょうか。
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