成果を出してきた人材をリーダーに昇格させる。 これは多くの組織で自然な判断です。
実務能力が高い。 判断が速い。 論理も明快である。
それにもかかわらず、変革が進まない。 むしろ組織が静かに停滞していく。
なぜこのようなことが起きるのでしょうか。
株式会社dazzly代表・筒井は、公式Podcastで「次世代リーダーの条件」というテーマを掲げながら、次のように語りました。
リーダーの条件の本質的なところは変わっていないと思うんですね。
ただ、時代が変わってきたとか、不確実性が増して読めない時代だという中で、「これまでのリーダー像では通用しない」と言われることが多くなってきた。
そういう現状に多くの方が戸惑っているんじゃないかなとすごく感じるので、あえて「次世代」とつけてみました。
リーダーの本質が変わったわけではない。 しかし、環境は変わっている。
このズレの中で、従来の「優秀さ」がそのまま機能しなくなっている可能性があります。
正解を出せることが、なぜ変革を止めるのか
優秀なプレイヤーは、現場で問題が起きた瞬間に解決策が見えます。
筒井は、自身の経験も踏まえながらこう話しています。
優秀なプレイヤーだった人って、現場で問題が起きたときに、すぐに「こうすればいいよ」と正解を出してしまうんですよね。
最初は助かるんですけど、それがずっと続くと、だんだん「あの人がやってくれるからいいや」とか、「どうしたらいいですか?」としか言えなくなってしまう。
リーダーが常に正解を提示する構造では、メンバーは問いを持ちにくくなります。
考える主体が一人に集中します。
変革とは、未知に向き合い続けることです。
問いが広がらなければ、変革は広がりません。
ロジックで動く人と、感情で動く現場
優秀な人ほど論理で整理します。 因果関係を明確にし、最短距離の解を導こうとします。
しかし筒井は、ここに本質的なズレがあると語ります。
優秀な方って、やっぱりロジックで動くんですよね。
だから何か聞かれたとき、全部ロジックで返してしまう。
でも現場は感情で動くので、どういう感情が邪魔をしているのか、そういうハードルがおそらく想像できないんじゃないかなと思いますね。
ロジックは正しい。 しかし、現場はロジックだけでは動きません。
その結果、こうしたすれ違いが起きます。
「なんでできないの?こうすればできるじゃん」と考えてしまう。
でも現場からすると「いや、そういう話じゃないんですよ」と。
そのまま平行線になってしまうんです。
ここで起きているのは能力の問題ではありません。
「なぜできないのか」が理解されないことによる断絶です。
「分からなさ」を共有できるか
筒井自身がメンバーだった頃のエピソードも印象的でした。
分からないと相談したとき、こう言われたそうです。
俺正直、筒井がなんで「わからない」って言ってるか、わからないんだよね。
一見すると冷たい言葉に聞こえます。 しかし筒井はこう振り返ります。
あれはすごく気持ちよかったですね。
「この人にはわからないんだ」と思えた。そう言ってもらえたほうが、よっぽどいいです。
分からないことを否定されたのではなく、 「分からなさ」を共有できた。
理解できない前提を認めることが、対話の起点になります。
正解を提示することよりも、関係性を前進させる可能性があります。
正解があるという前提
優秀な人ほど、無意識のうちに前提を置いてしまいます。
筒井はこう語っています。
自分ができてしまうからこそ、「物事には正解がある」と思い込んでしまう。
「言葉にすれば伝わっている」と思ってしまう。
さらに、自分と同じ熱量でみんなが動いていると思ってしまうんですよね。
しかし変革期は、正解が固定されている状態ではありません。
変革というのは、これまでとは違うことをやっていくわけですから、実務の話だけではなくて、なぜ変革が必要なのか、どんな目的があるからこういうことをやるのか、という話が大事になってくる。
リーダーだけでは変革は成し遂げられないので、メンバー全員で課題に向き合い続けるにはどうすればいいか。
そういうところに目を向ける必要があるんじゃないかと思いますね。
変革は、一人の正解では進みません。 問いを共有し続ける構造が必要です。
視点を変えるということ
最後に、筒井はこう述べています。
それぞれのメンバーが見ている世界や、どういう壁にぶち当たっているのか。
そこに目を向けてあげたほうが、よっぽど前進していくんじゃないかと思いますね。
これまでとは全然違うスタンスでやっていく必要がある、ということなんです。
優秀さを手放すのではありません。 優秀さの使い方を変える。
変革を止めているのは能力不足ではありません。 優秀さの前提です。
その前提を問い直せるかどうか。
それが、次世代リーダーの分岐点なのかもしれません。
記事について
株式会社dazzlyの公式Podcast「「優秀なプレーヤー」がリーダーになると、なぜ変革は止まるのか?」での対話内容をもとに、DX推進や組織マネジメントを考える皆さまに向けて再構成したものです。
ITツールの活用やDX推進に関する課題やお悩みがあれば、お気軽に弊社までご相談ください。
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Podcast:
Spotify:
出演:筒井千晶(株式会社dazzly 代表)
インタビュアー:土井
編集・構成:dazzly編集部

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