プロジェクトチームを立ち上げるとき、最初に必要なのは人のアサイン。
前回の記事では「人ではなく役割から考える」ことの大切さを紹介しました。
では、メンバーが集まったあと、どうすれば彼らが本当に“チーム”として機能し、成果を出せるのでしょうか。
今回は、「チーム立ち上げ時に意識すべきこと」についてです。
初めての顔ぶれで進めるプロジェクトの現実
プロジェクトには「初めまして」のメンバーが集まることが少なくありません。
しかし「今日からチームです」と言われても、すぐに息の合った動きができるわけではないのです。
筒井はこう語ります。
「私自身、最初にいつも思うのは“自分一人では成立しない”ということ。目的地に向かうには全員が必要で、誰かが欠ければ到達できない。だからこそ、最初から“どうやって一緒に進むか”を考えるところから始まります」
つまり、スタート地点では「まだチームではない」。
そこからどう信頼を積み上げ、役割を補い合い、チームとして育てていくかがカギになります。
信頼は「探り探り」から始まる
初対面のメンバー同士では、最初から信頼し合えるわけではありません。
「この人は信頼できるのか? 本当に役割を果たしてくれるのか?」
誰もがそうした疑念を抱えながら進みます。最初は探り探りの状態であり、自然と距離感も生まれます。
しかし大切なのは、“同じ目的に向かっている”という共通意識を持つこと。
これがあるかないかで、信頼の築きやすさがまったく変わります。
筒井は例えとしてこう話しました。
同じチームのファン同士って、すぐ仲良くなれたりするじゃないですか。
『この選手が好き』『あの場面が印象的だった』って共通点があると、一気に距離が縮まる。
プロジェクトも同じで、“私たちが目指しているもの”を共有できるとチーム感が出やすいんです。
逆に目的意識がずれていると、「同じファンでも推しポイントが違う」ように微妙な距離が残ってしまいます。
1人の温度差がチームを変える
意識の統一がなされていないと、チームの雰囲気は崩れやすくなります。
「不思議なもので、1人だけ温度が低いと、チーム全体が違う色になってしまう」と筒井は言います。
個人の性格やスキルよりも、目的に対する姿勢の差が大きな影響を与える。
だからこそ最初に「同じ目的を共有する」ことが欠かせないのです。
リーダーが繰り返し「ゴール」を示す
では、その共通の目的をどうやって定着させるのか。
ここでリーダーの役割が重要になります。
リーダーは、常に“私たちのゴールはここだ”と示し続けることが大切です。
ミーティングで毎回同じことを言っても『また同じことを言ってる』と思われるかもしれません。
でも、目的はぶれやすいし、状況によって変わりやすい。だからこそ繰り返す必要があるんです。
リーダーの「口酸っぱく言い続ける姿勢」が、チームの方向性を守り、個々の意識をそろえる役割を果たします。
まとめ
プロジェクトは「初めてのメンバー」で始まることが多く、信頼や一体感は最初からあるわけではありません。
だからこそ、
- 自分一人では成り立たないという自覚
- 全員が同じ目的を共有する意識
- リーダーが繰り返しゴールを示す姿勢
この3つが、やがてチームの一体感を育み、目的達成に向けた推進力へと変わっていきます。
あなたのチームは、いま同じゴールを見つめられていますか?
温度差や小さなすれ違いを、そのままにしていませんか?
信頼も一体感も、最初から備わっているものではありません。
一つひとつの対話と確認が、やがて大きな成果を生み出す力に変わります。
その第一歩を、ぜひ今日のプロジェクトから始めてみてください。
この記事は、株式会社dazzlyの公式Podcast「プロジェクトチームの一体感を醸成するには?」での対話内容をもとに、DX推進や組織マネジメントを考える皆さまに向けて再構成したものです。
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Podcast:
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出演:筒井千晶(株式会社dazzly 代表)
インタビュアー:土井
編集・構成:dazzly編集部
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